電子ポット 分解 1/3
久々の分解は少し大物です。壊れてしまった電子ポットです。
では土台のほうから行きます!
土台はこのようになっております。
ネジを外すとコネクタが見えます。
さらに分解するとこんな感じです。
コネクタを分解すると、モジュールとコードになります。
コード側にはヒューズがあり、保護されています。ヒューズ側のカバーを外すとヒューズが見えました。
本体とのジョイント部品はモジュールの様です。
Otter ® と書いてあり、検索すると以下が出てきます。
http://www.ottercontrols.co.uk/index.htm
アライグマがかわいい。このメーカのモジュールが使用されているようです。
CS7 というコネクタが使われていますね。
土台側はこれでおしまいです。
また近日続きを公開します。
電源 RD DPS3005
電池を使ったデバイスを作っていて、電池が消費されて電圧降下起こった時の動作を見る場面があります。今まで使用済み電池でやってたんですが、結構大変になってきたので、電源を導入しました。
電源は一般的に結構ごっついイメージを持ってたんですが、これは小ぶりのものでAliexpressで54ドルでした。電源は入力端子が付いてるだけだったので、千石通商で買ってあった12V ACアダプターを使います。
この電源、安いだけあって自分で半田付けも含めて組み立てするんですが、チュートリアルで手順を確認できたので、半田付けそうやってるんだ、みたいな感じで参考になりました。
今のところ役には立ってますし、作りもそんなに悪くない感じかと思います。
I2Cをケーブルで伸ばす場合の注意点
I2Cのネタです。
I2C接続のセンサーをメインCPU基板と分離して使用したい場面があると思いますが、ちょっとした落とし穴があったので、メモしておきます。
今回、TMP006モジュールというサーモパイルの温度センサーモジュールのI2C接続をケーブルを使用して延長したのですが、長いケーブルになると通信できなくなったり、データが化けたりするという問題がありました。
結論的には、シールド線を使用しないとノイズの影響が強くでるということでした。
以下のパターンで波形を確認しました。
<1> ブレッドボード上での接続
<2> フラットケーブル 1m
<3> フラットケーブル 2m
<4> シールドケーブル 2m
<1> ブレッドボード上での接続
ブレッドボードにさして普通に使用した場合、以下の波形が得られました。
<2> フラットケーブル 1m
長さ1mのフラットケーブルを使って接続したところ、このような波形になりました。
使用したケーブルは千石通商で売っているカラーケーブルです。波形が乱れているのと、ノイズが乗っているように見えます。この状態だと、動くときと動かないときがありました。
<3> フラットケーブル 2m
ケーブルをさらに伸ばす。
I2Cの読みとり側ではデータがばけていたり、温度情報が取得できない時がある、という感じになりました。以下の波形は10kbpsに落とたものですが、微妙なひげが出てきているのと、SCLがあやしくなっています。
SCLの信号を詰まっている部分が発生しており、明らかに変なところがあります。
<4> シールドケーブル 2m
シールドケーブルに変更するとデータの読み込みは安定していました。
波形を見るとなまっている感じですが、クロックがつまるような現象はありませんでした。
ケーブル延長した時の問題について色々調べてましたが、電線自体がそれぞれの電線に影響してしまう点が問題ということでした。フラットケーブルで信号線を流した場合、それぞれが干渉するので問題が起こるということのようでした。
ノイズへの対策としては以下の方法があるようです。
(1) フラットケーブルで、信号線の間にGND線を設ける
(GSGSG)などの線の並び配列にする
(2) シールドケーブルにする 。(または、ケーブルにアルミホイルをまく)
(3) Ether Cat6 ケーブルを使用する。(対ノイズ性が高いようです。)
Ether ケーブルでI2Cの接続を行い、実験された方のブログ
こちらにプルアップ抵抗の決め方について記載がありました。
http://www.picfun.com/midi2c02.html
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IICの仕様書に計算方法など色々書いてありますよ。
http://www.nxp.com/documents/user_manual/UM10204_JA.pdf
例えば一般的なフラットケーブル(いわゆる、すだれケーブル)を使って、信号線をGNDで挟んだ場合(GSGSG)
1メートル当たり60pF程度なので、5メートルで300pFになります。
さらに、ケーブル容量に基板上の容量を足して合計400pF程度と見込んで計算すると、 Standardモード(~100Kbps)ならTr=1000nsecなので、Rpmax=1000nsec/(0.8473*400pF)=2.95KΩ
プルアップ抵抗を2.95KΩとすればOKです。
プルアップ抵抗はICが許す限り値を小さくすれば(1Kとか470Ωとか)ノイズ耐性やマージン確保に役立つと思います。
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信号線のノイズ対策 シールドされたケーブルにする。
https://japan.renesasrulz.com/cafe_rene/f/forum19/3619/i2c?pi4368=1
cat6 ケーブルのうんちくはこのあたり
https://www.sanwa.co.jp/lan/cable6.html
おまけ
<I2Cパスの延長について>
以下のリンクで、PCA9600Dというものが紹介されていました。400kbpsで16mまで動作確認できているようです。
成功者の告白 神田昌典
最近、本の話が多くて恐縮ですが、読んでて色々な気づきもあり良かったので書いておきます。これも知人から紹介された本です。
起業してから成長カーブをたどる間に起こる様々な困難を会社と家庭の両面から紹介する小説です。読み口としてはThe Goal のような感じですかね。主人公とメンターの対話がメインにあり、主人公に起こる出来事から事態を観察する感じで話が進みます。
会社が成長する過程で様々に状況が変化していきますが、それが実はシナリオ通りの出来事で予測可能な事態である、だからその場面に直面してもビックリせずに冷静に対処しましょう。という内容です。
あまり意識していなかった点で知ってよかったと思った内容は以下のようなところでした。
・企業文化の醸成の上で初めて実務的なシステムが回るようになる。
→ 単に実務を指示するのではなく、理念や姿勢、思いの共有がまず大事。
・企業の成長の過程で主役が変わる 起業家と実務家のフェース、実務家と管理者のフェーズ。
→ 実務をバリバリこなすステージから、一企業としてシステム化するステージ、実務家と管理者という役者の違いは意識していなかったので勉強になりました。
・グッド&ニュー
→ 良いこと、新しい出来ことを、毎日披露することで組織の風通しがよくなる、という取り組み。詳細は本を読んでほしいですが、ポジティブな雰囲気を蔓延させるためのちょっとした時間でできる活動です。つらい時でも物事をポジティブにとらえるのはほんと大事ですよね。
なんか題名とか好き嫌い別れる本だとは思いますが、普通に勉強になりました。小説なので読みやすいのもいいですね。私もオススメします!
自分のことだけ考える 堀江貴文
自分のことだけ考える 堀江貴文
最近知り合った人が読んでいたので、自分も読んでみました。
堀江さんてよく知らなくて、厳しいことを言う人ってイメージですが、意外とそうそう、と思ったりして意外な読後感でした。
通常は色々な束縛や遠慮が伴って思い通りのことができない/しないですが、熱量高く志があるならそんなことは無視してやりなよ。というメッセージ。
あまり、熱い内容ではないですが、普段思っていることで共感する点がありました。
「無心になる時間を大切にしている」
これは結構大事にしていて、ストレスためないコツだと思います。月並みですが、運動してよいと思うのは、運動してて苦しかったり練習している瞬間ってホントにそのこと以外は考えないので、精神的にリセットされるのかな、と感じてます。
小ぶりなものでは、皿洗いとか掃除、料理の下ごしらえ、とか作業っぽいのは無心になるのにいいタイミングですね。
タグチメソッド | 品質工学
設計開発から量産へと段階を進めるとき、様々な困難が出てくる、リスクを考慮して予算を組みなさい( にもありました。)という話があります。
少ない数を作っているときは問題が表面化しないが、大量に作るときに発生する問題があるからだと思っていますが、品質について調べていたところ、以下のような手法があることを知りました。
タグチメソッド(品質工学、TMともいう)
ネットの記事を調べていると、品質管理(Quality Control)というものと比較があるのですが、品質管理は製造時、品質工学は設計開発時に行うものということのようです。設計や開発段階で品質を高めることがコストダウンにつながる、という考えがタグチメソッドの考えだそうです。
<面白かった考え方>
・出荷検査は新品状態での確認、製造時の品質をチェックしているにすぎない。それが本質的に大丈夫かどうかはまた別の問題。
・品質が良い、悪い、という問いは、「どのくらい新品時と同じ状態を維持できる製品であるか」、を問われていること。
・標準値からずれているかどうかより、ばらつきが少ないほうが良い製品開発。
・何らかのばらつきが品質を悪くしている場合、ばらつきを抑えるのではなく、ばらついても大丈夫なように設計する。
・ロバスト性の評価の際に、正常値からのパラメータずれを複数点でとって複数のデータから評価するやり方、パラメータずれを大きくとって少ないデータ数で影響を評価するやり方がある、タグチメソッドは後者の方法を取ることで検証の時間を短縮している。
・パラメータ設計という少ない実験回数でパラメータを決める手法がある。L18直行表を使って8パラメータの最適値を18回の実験により求める。など。
・ゴムローラーの寿命テストをゴムの弾性特性の評価で行う。
パラメータを設計する際に、影響する因子の代表的な値をとることで、少ない回数の実験でパラメータ因子の最適値を求めることができる、という点が参考になりました。
↓ 以下でエクセルを使って砂時計の設計を進めているものが面白いです。
ロクマルビジョン / ナガオカケンメイ 著 etc
ロクマルビジョンの本です。
カリモク60が好きです。
カリモクを知ったのは、学生の頃、目黒の家具屋さんでモケットグルーンのK-チェアを見かけたのがきっかけでしたね、いつか欲しいと思っていて、社会人1年目の時にモケットブラックのK-チェアを買ってからずっと使っています。もう10年以上たちます。
今はK-チェアのグリーンのほうもあって、それは千歳烏山のカレー屋さんをやっていた方から譲ってもらったもので、お店を締める時の話なんか聞いたりして、なんか椅子もお店で頑張ってたんだなぁ、とか思っていました。
身の回りのものすべてが語るようなストーリーを持っているわけではないのですが、やっぱり大事に使って、これは今後も自分の身の周りで使い続けていくんだろうな、と思えるものが身近にある、というのは感慨深いものがあります。
この本はちょうど私がK-チェアを購入した2008年に出た本です。60ビジョンの背景、各社が60ビジョンに参加した背景、参加に至るまでの社内での戦い、復刻する+現在のエッセンスを注入する発想、など思いの詰まった話がたくさんでてきます。
次々と新しい商品を出して消費するのが普通という業界ですが、ロングライフという意味で価値のあるものを復刻して定番化するというのにはかなりの熱量が必要なようで、会社側の思いのある製品でないと成り立たないし、担当した方の苦労などを少しですが見ることができます。
今の60ビジョンのサイトを見ると、ラインナップから消えているものがちらほら見受けられ、素晴らしい製品とはいえど、継続していくというのは非常に大変なんだなと思います。ラインナップから消えてしまったコトブキ60の椅子は以前渋谷のロフトで見かけてしばらく観察していましたがほんとにきれいな椅子ですし、ホウトク60もめちゃくちゃ可愛いのに。
それでも残っている、カリモク、アデリア、マーナ、イトーキ、マルニ、ホッカはほんとに凄いなと思います。
入社1年目の教科書 / 岩瀬大輔
こちらは会社でメンバーがおすすめしていたので読みました。仕事をするうえでの心構えや仕事のやり方、コツみたいなことが書いてあります。若いころに出会えていたら今が違っていたかも、と思いました。ちょっとしたことだけど、心持で意識がかわることがありますが、早いうちに気付いておいたほうが良いことが書いてあります。
・どんな仕事にも意味があるから、しっかり背景を考えよう。
・この先10年、20年を見据えて価値のあることを体験しよう
・若いうちは臆せず興味をもって当事者にあたろう
・悩んだら先達にあたろう。
など。
言われてみれば当たり前と感じる点もありますが、そういえば最近はそういう風に考えられてなかったなぁ。などと振り返りすることができたので、読んでよかったです。