t-yosh’s blog

元ソフトウェアエンジニアが、モノづくりについて学んでいるブログです。モノづくりに必要なハードウェア・ソフトウェア・デザインのことを書いています。

水漏れセンサーシステム作成 <その3 システム検討 WROOM-32 使用>

とある依頼で、雨水センサーを使った検知システムを作成することになりました。

前回、雨センサーモジュールの動作確認しました。追加で話を聞いたところ、オフラインで以下を達成すればよいとのこと。実現したい内容は以下です。

  1. 検知したいエリアが8箇所ある。(追加で後から2本つける)
  2. ブザーで知らせてほしい
  3. ブザーボリュームを付けてほしい

システムとしては、GPIOでセンサーの出力を監視して、水検知の出力があればブザーを鳴らすというシンプルなシステムです。メイン基板ですが、有線でのネット通信のためにNanoPiNeoにしようと思っていたのですが、ネットワーク不要になったので、WROOM-32でやることにしました。

WROOM32はGPIOが21あるので、センサーI/O で10, ブザー I/Oに2、 ボタンI/Oに1 で、13個+αくらいなので、入力の数は問題ないですね。

ブザーに関しては、Arduino のToneライブラリで圧電スピーカーを使います。

akizukidenshi.com

ボリュームは可変抵抗か切り替えSWで抵抗の値を変更することで実現します。

 

ここで追加で考えたのが

  • 反応したエリアがわかるようにする。

と水漏れを検知してから場所を特定できていいのではないか、ということで、通知の方法を考えました。

方法としては以下の二つを考えました。

  1. LEDをセンサー数分、並べる。
  2. LCDで通知する。

1のLEDを並べる方法ですが、センサーが10あるので、LEDとセンサーI/OでGPIOのポートが足りなくなりますね。

これでやる場合は、LEDコントローラーを使うか、、GPIOをまとめてI2C出力する GPIO expander を使う、という手があります。。ぱっと思い浮かんでスイッチサイエンスさんのボード(864円)を買ってきました。よくよく調べると秋月にも同じようなチップがあって、こちらはかなりお安い100円ですね。

www.switch-science.com

akizukidenshi.com

 

2のLCDの方はI2Cでこれまたスイッチサイエンスさんのボードがあるので、これを使えばよさそうです。

www.switch-science.com

 

ということでセンサー以外でシステムに使用するパーツとしては以下のものでシステムを組みます。

  • WROOM-32
  • 圧電ブザー
  • 可変抵抗 or 切り替えSW
  • ボタン
  • GPIOエクスパンダー
  • LCD

今回、基板は起こさないので、モジュールなど使用して生基板にまとめて作成しようと思います。

作成するシステム全体の構成としては、

  • コントローラ部は室内
  • センサーは室外

となる条件なので、センサーからのケーブルは一旦、中継のハブでまとめてからコントローラにつなぐことにします。

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次回はソフトウェア関係のライブラリやシステム動作になりそうです。

分解ネタ -その1UVCカメラ-

ハードウェアは実際に手に入るという利点があります。分解はけっこう勉強になるところが多いので、分解ネタとして記録していこうと思います。あまり詳細な解説はできませんが、お付き合いください。

今回、中を開けてみたのはメジャーなUVCカメラです。

分解は簡単で、土台と裏側に見えているねじを外すと、基板が取り出せます。

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筐体の内側

筐体は基板を挟み込むようになっており、基板は筐体にねじで固定してありました。また、ケーブルはコネクタになっているので、コネクタを外すことで基盤を取り出せました。

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出てきた基板

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裏側

基板は結構シンプルですね。表面にレンズ、マイクロフォン、メインぽいチップ、小さいチップ、裏側にコネクタ、チップ。部品点数はそれほどなく余っているエリアが目につきます。

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レンズを外したところ

カメラのレンズは基板にねじ止めされているので、ねじを外すと取れました。

気になる搭載チップなどですが、アップして確認してみます。

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表側の基板アップ

メインのチップは、REALTEK RTS5822とあり、検索するとすぐ出てきます。

チップのページ(Realtek)を見るとカメラ用のCPUであることがわかります。Chip上にカメラコントローラ、UVCカメラコントローラー、LEDドライバーなどが搭載されているようです。対応のCMOSセンサーの型番が載っていますので、そのうちのどれかのCMOSセンサーを使っていそうですね。

横にあるもう一つのチップは、AL33G 15468 と書いてあり、AL33Gで検索するとレギュレータのようですね。

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裏側

裏側には小さなレギュレータ、コネクタ、もう一つチップが目につきます。左上のチップはMXIC25L5 まで読めるので、調べると[MX25L5121E]だろうと思います。フラッシュメモリです。

全体としては、こんな感じかと思います。部品点数も少なく、onChipでほとんどの機能が入ってしまっている感じですね。

カメラ用のコントローラとCMOSセンサーがあれば、割と簡単に設計できるのではないかと思っていしまいますね。

 

参考ですが、分解ネタで詳しく書いていらっしゃる方のブログも面白いので紹介します。こちらはアクションカメラの分解されてます。

TYE's Tech. Lab. – TYE's Technology Laboratory

People design 万人のためのデザイン

people design 万人のためのデザイン

ユーザー中心設計に焦点をあてた、ビューティフルユーザーズ展という展示に関する本です。人間中心設計の歴史(黒電話の進化)や、色々な人に合わせてインターフェースを改善する例など、実際に何をどうやって人間中心に設計するのかの例がたくさん見れます。アラジンの魔法のランプを人中心に設計するとどうなるか、とかは若干笑えたりもするのですが、考え方として新鮮でした。

第三章からは、ハンドル、モビリティ、インターフェースに特徴のある先進的なプロダクトの製作の過程が紹介されていて、このあたりの章が興味深いところでした。

製品アイディアの着想からラフスケッチ、何種類ものプロトタイプ、製品化された商品が紹介されていて、色々な製品の開発過程が少しずつですが垣間見えます。中には、OXOのグットグリップスのシリーズなどの知っている製品があり、髭剃り、スプーンなどの試作過程、最近のNestなんかの事例も紹介されていて、とても参考になりました。

スプーンなんかは厚紙を使って試作していたり、色々な素材でサンプルとずらーっと並べていたり、色々な持ち手の形状を並べて試していたり、さすが一線の人たちの取り組みだなぁ、と感心しました。

 

役に立ちそうなリンクがあったので、メモっておきます。

・オープンストラクチャー - オープソースの組み合わせ部品 -

http://beta.openstructures.net/

 

 ・ザ ナウンプロジェクト - 著作権フリーのアイコン集 - 

thenounproject.com

 

水漏れセンサーシステム作成 <その2Nano pi Neo 検討>

とある依頼で、雨水センサーを使ったメール通知のシステムを作成することになりました。

雨滴センサーが届きましたので、試してみました。使用する予定のセンサーは

「Myoffice 検出モジュール レインセンサー雨水モジュールの雨検出モジュール  3, 3V-5V」

amazon で買えます。

https://www.amazon.co.jp/dp/B074VZYC67?psc=1

今回は早めに手に入れたかったのでヤフオクで買いました。

モジュールになっているので、センサー部分を基盤につないだら、電源VCCを3.3Vに接続すると、センサーが反応したときに、DOに3.3Vが出力されます。

下の写真のように、センサーの出力をブザーに入力しているので、水を検知したときにブザーがなります。

 センサー部分に水を垂らすと反応し、ティッシュでふき取ると反応が終わります。

今回、水につかるような状況があるので、それを想定して水に漬けてみましたが、きちんとブザーが鳴りました、水から出すと鳴りやむので水につけるような水位計としても使用できそうでした。

 次回はNano Pi に接続して、センサーの状態を監視できるようにする予定です。

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水漏れセンサーシステム作成 <その1 Nano pi Neo 検討>

とある依頼で、雨水センサーを使ったメール通知のシステムを作成することになりました。プラットホームとして何を使おうか検討したのですが、有線LANが乗っているボードで安いボードを探したところ、秋月電子でNano Pi Neo というのがあるのを発見しました。本採用するかわかりませんが、軽く動かしてみたので、メモです。

 

akizukidenshi.com

 

公式のサポートページ

NanoPi NEO - FriendlyARM WiKi

サポートページの手順に従って、イメージを作成します。

 

(1) 以下のリンクからイメージをDLします。

https://www.mediafire.com/folder/n5o8ihvqhnf6s/Nanopi-NEO#umkhdtp5nkect

今回は、nanopi-neo_ubuntu-core-xenial_3.4.39_20170819.imgをDLしました。

 

(2) Win32DiskImagerでSDに書き込みます。

先ほどDLしたファイルを解凍して、中にあるイメージファイルをSDに書き込みます。

 

(3) デバッグに必要なコンソールの接続をします。

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UART0を手持ちのUART シリアル変換基盤(FT232HL)と接続します。

 

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サイズがかなり小さいのに、コンソールでちゃんとLinuxが動いている感じはさすがですね。

今後はネットワーク接続とメール送信を試したいと思います。

 

こちらのサイトも参考にさせていただきました。

NanoPi NEO届いた – がとらぼ

 

ネジ

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ネジは本当に色々あるので、選ぶときにどれを選ぶのよ!? となることがあるので、 見るべきポイントをまとめます。

バイスに使う際におさえるポイントは

(1) 締結力  (サイズ、長さ、ピッチ、種類)

(2) 作業性 (種類、ピッチ)

(3) 耐久、防水性など(材質、パッキン)

でしょうか、以外と気にすべきポイントがあります。

サイズの見方や種類は規格で色々と決まっているので、一度見ておくとあとあと苦労しなく済む気がします。

・ネジのサイズ (外径とピッチ、長さ) 

・サイズ

M3とかM5とかいうのは外径のサイズ、ピッチは隣り合うねじ山の間隔を表しています。ピッチは締結力などに影響しますが、作業者のねじを締める時間などにも影響するんのでよいバランスのピッチを選ぶ必要がありますね。

・ネジの種類

メートルねじ、テーパーねじ、ストレートなじ、細目ねじなど、たくさんありますね。

ねじ先端形状だと、小ネジ、タッピングねじ、木ねじ、などで用途が異なってきますし、ねじ頭形状では、皿、鍋、丸皿、トラスなどがあります。

・ドライバーの番手

意外と気づいてなかったのですが、ドライバーの先端にもサイズ(番手)があります。この番手によって対応するネジサイズがあるのですね。普段よく使うサイズや種類のネジと番手の関係は以下の図がわかりやすいです。これを見て何を気にするのか、ということですが、例えば、設備として壁に固定するようなデバイスの場合、作業する施工屋さんとかが持っているドライバーが2、3番手が多いようなので、M3以上であるほうが現場で使い勝手が良いと想定されるので、M2とかの小さいねじは避けたほうがよい、という想像ができますね。

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http://www.diyna.com/cityhall/m-yuda/d-base/tools/dy_driver.html

使うねじとドライバーの番手の対応表はJISやISOで規格で決まっています。

より細かい表は以下↓

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http://faq.hozan.co.jp/support/faq/detail?site=ZAWBTM42&id=2

 

 

・素材 錆対策

ニッケル、三価クロメート、ステンレス、ブラスなどこちらも素材や表面処理などでたくさんあります。ネジ屋さんに聞いたのですが、水がかかるならステンにしとけ、と言われました。あとはロットに対してのコスト効果で安いものを選ぶというのはあります、という感じでした。

・防水

防水に関しては、パッキン付きのねじでしょうか。

・ねじ購入先

ウィルコ

金属・樹脂のねじ・ボルト・ワッシャ販売、通販【ウィルコ】カタログ無料

ネジコ

株式会社 ネジコ|ネジ(ねじ)の海外製造・ 輸入・仕入支援 | ネジ(ねじ)の海外製造・ 輸入・仕入支援

 

色々ありますね、というところしか書けませんでしたが、実際に締結力などからねじを決めるには筐体側の設計なども絡んでくると思います。

具体的な設計手法などがあると思うので、気づいた時点でまたアップデートしようかと思います。

 

電池を使った製品の注意点(電池室の設計)

製品を作ろうと思ったら、電源が電池になることってよくあると思います。

自分も電池を使ったものを作っているのですが、電池の逆差しについて調べたことを書いておきます。自分のためのメモですので、参考にする際はご自身できちんと調べたりテストしたうえで実行してくださいね。

(注:万が一、逆装てんしてしまっても、それほど電流の流れない単三、単四を2本程度のものを想定して記事を書いています。リチウムイオンなどの二次電池での対策は他を参考にしてください。

 

基本的な考え方としては、以下のようなことかと思います。

(1) ユーザが間違うのを防ぐ

(2) 逆にさせないようにする

(3) 万が一、逆装てんされて導通した場合に保護する

 

設計の指針としては、一般社団法人 電池工業会に参考情報がありました。

ホームページに以下のドキュメントがあり参考になります。

乾電池使用機器の電池室・端子部の寸法設計指針

http://www.baj.or.jp/frombaj/anzen-guide090430.pdf

 

それぞれについての対策の例です。

 

(1) ユーザが間違うのを防ぐ.。

まず、間違いを防止することですが、見覚えのある電池マークですね。

世の中の製品を見ると、電池マーク、プラス端子、マイナス端子、電池の向き、電圧などを刻印してユーザに指示する例が多いですね。手元のElecomのマウスはプラスチックシートに印字してあります。(このシートは電池を取り出しやすくする目的でもあります。)いくつか製品を見ると、電池の絵は必ず入っているような状況ですので、常識として示すのが当然ということだと思います。

電池工業会のドキュメントでは、もっと詳細に説明することを推奨しています。

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(2) 逆にさせないようにする

こちらは逆装てんの場合に物理的に端子に触れないようにするという対策です。

設計のパターンはドキュメントにある以下の例が参考になります。身の回りのものは以下のパターンのどれかで対策してありました。

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(3) 万が一、逆装てんされて導通した場合に保護する

逆装てんされた場合に、問題のない回路設計にするということです。以下のような対策があるようです。

・回路を保護するために、ダイオードで電流を逃がすルートを確保する。

・ヒューズやポリ抵抗で一定の電流以上ながれたら遮断する。

・保護機能付きの電源ICを使用する

通常使用時に電池を消費しないか、過電流時に保護回路が作動するか、部品点数が増えコスト増、など設計、導入には注意が必要ですが、逆装てんがクリティカルになる場合は必要な設計です。

保護回路に関するリンク

逆極性保護回路の設計 ( Design a circuit for reverse polarity protection ) - オートモーティブ - Japanese E2E (日本語コミュニティ) - TI E2E Community

逆電圧保護

 

その他

ドキュメントにはスパイラルスプリング使用時にスプリングをつぶして電池の被膜を破ってしまう事故防止などもありました。この点には気づいてなかったので、ドキュメントを読んでためになりました。

色々な事故事例が載っているので、一度読んでおくと事故防止の参考になると思います。

 

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おまけ

電池の取り出し部分のサンプルです。色々工夫されてますね。

・Elecom マウスf:id:t-yosh:20170819095543p:plain

最近、電気屋さんで見ているとこのパターンが多いです。確かに電池取り出しの時、便利です。電池の端子は板バネ端子、リブタイプ、で逆装てん時の導通を防止しています

 

Logicool マウス

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これはシンプルな感じです。電池マークの刻印、スパイラル端子のつぶれ対策、プラス端子は凹になっています。シールで刻印が隠れてしまっているところは気になります。

Toshiba リモコン

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これは基盤に電池マークが印刷してあって、結構強引だと思いましたが、金型側がただの穴になっているので、筐体に刻印するよりもコスト高価は高く参考にしてみようかと思いました。スパイラルのつぶれ防止もしてありますね。

 

Kenwood リモコン

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こちらは10年前くらいの製品なのでシンプルです。スパイラル端子のつぶれ防止はないですね。プラスのほうは凹になっています。

 

任天堂の電池ボックス

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電池端子が特徴的です。振り回して使う用途なので、良く固定されるような配慮だそうです。

The バラシ!任天堂Wiiを分解 - 日経トレンディネット