セミナー備忘録 (170706) モノづくりビジネスの環境
セミナーの備忘として、ためになった内容をメモしておきます。ご参考まで
ものづくりの開発手順と今のトレンドについてのセミナーです。
モノづくりビジネスの環境
シミュレーションを活用したプロトタイピングが当たり前になってきている。ここでのシミュレーションは応力解析や樹脂の流体の流れなどをCADでシミュレーションしてから実際に製作することで、出戻りを防ぐ。
これらの例として3Dプリントされたロードバイクの例[Orbitrec]を挙げており、強度を保つために複雑な形状はシミュレーションにより設計された構造だとのこと。
開発・製造・販売のトレンド
開発:
ラピッドプロトタイピング 3D CADと3Dプリントによる高速化
製造:
ファブレス(自社工場を持たずにハードウェアを製造する)やEMSとの協業
Moffや、リングデバイスのなどで大手メーカーが製造に協力している例もある。
販売:
ECのプラットホームが複数ある
BASEなどのECサイトの活用や、Amazon FBAなどの専用倉庫から出荷できるサービスなどを利用するケース。
ものづくりのフロー
原理試作:
プロトタイプが製品として販売可能か?ユーザに受け入れられるか?製品が提供できる価値を検証する
機能試作:
限りなく製品に近いプロトタイプを作成する。デザイン、機能を確定する。
この段階でいかに要求仕様を挙げられるか、というのがこの後のプロセスでの戻りを防止する。製品が使用されるシチュエーションを想像し、細かいレベルまでドキュメント化する。何Mから落としても大丈夫にするの?砂漠で使用するのか?など、要求仕様は150以上出るのが普通。この仕様が確定されていないと工場側も工夫できないので、大事
量産試作:量産に最適な形に設計されたプロトタイプ。適切な時期に適切な量を出せるか?量産できる形状なのか?間に合うのか?不良品はどれくらいでるか?価格が高くならないか?
「50000円の製品でも80円の部品に手を抜いてはいけない。」
ファブレス製造の現状
国内と海外製造をどうするか、というのはよく話題になるが、コミュニケーションコスト、工場の持つ設備、人件費、エンジニアのクオリティがポイントとなる。中国は新しい工場が多く、入っている機材が新しいことがよくある。コミュニケーションコストはあるものの国内工場は古いところが多く、必ずしも良いとは言えない現状がある。人件費の面ではベトナムが良い状況。界隈では、中国の***ってところが設備を入れ替えたので、安くなったみたいだよ、などという情報がいききしているようです。
このセミナーでは、必ず国内にしておいたほうが良い、とまでは言っていませんでしたが、国内生産のほうが良いと言っている記事などもあります。
試作開発まではなんとなく理解していましたが、販売や在庫管理でも便利なサービスがそろってきていること、中国の工場のレベルが高くなっていること、工場とのやりとりで必要なドキュメントのクオリティなど、かなり濃い内容でした。ハードウェア開発においていかにリスクを下げてやっていくか、というのはかなり難しい問題ですが、色々なサービスも出てきていることもあるので、情報収集はしていかないといけないですね。