金型設計
金型設計の勉強中です。
これまで3Dプリンターでの設計、造形をしてきました。開発における3Dプリンターの利点は数多くありますが、あくまでプロトタイピングツール、試作開発に使用することがメインだと思います。最近、3Dプリンタ品を量産品に使用する例を記事などで見ますが、内部の機械部品であったりします。
展示会などで金型設計品との比較で話を伺うと、3Dプリンターによる量産というのはまだ確立されていない手法のようですね。
ということで、Fusiion360などのCADや、3Dプリンターを使いこなせたとしても、そこからプロダクトを量産するには技術が足りないということになります。
それで、どうするのか、ということなのですが、やはり普通に考えて射出成型品を作ることになります。射出成型では金型を製作して素材のペレットを金型に流し込み成型するわけですが、二つの型をはめ合わせた空間に溶融した樹脂材料を流し込むわけでそれ相応の設計が必要なわけです。
金型の設計についての簡単なまとめがこのエントリーです。
設計については、金型屋さんにアドバイスをいただいたり、工場の見学、本を読んだりしました。
参考にした本は以下です。
「素材とデザインの教科書・日経デザイン編 」
「商品設計者のための射出成型金型入門・有泉 徹著 」
素材とデザインの教科書は、どんな製品にどんな樹脂や加工が使われているのかが書いてあるので、とても面白いです。
商品設計者のための射出成型金型入門は、結構教科書な感じですが、商品設計者向けに書かれていてわかりやすいです。
金型設計の技術に関して必要な要素とキーワードは以下のようなもののようです。
- プラスチック素材
- ABS、PLA、PP、結晶性樹脂、非結晶性樹脂
- 射出成型のメカニズム
- 型締め、射出、保圧、冷却、型開き、アンダーカット、パーティングライン
- 射出成型金型の仕組み
- コア、キャビティ、ランナー、ゲート、ノックピン、スライドコア
- 金型の製作方法
- 切削加工、放電加工、磨き
- 金型成型のための設計
- アンダーカット、抜き勾配、そり、ひけ、バリ、ウェルドライン、フローマーク
上記をざっと眺めただけでも、金型量産設計のために必要な知識が多い感じがわかるかと思います。
商品設計者側として、重要なのは以下の観点かと思います。
- 量産(金型)を意識した筐体設計
これには、金型そのものを設計するわけではないが、問題のない金型を作るために必要な設計要件を理解する必要があります。具体的には、成型品の品質や金型のコストに関して問題となる、アンダーカット、抜き勾配、そり、ひけ、バリ、ウェルドライン、フローマークをさけるための設計が必要です。
概要としてはこんな感じかと思いますが、設計者として、射出成型時の問題をさけるための設計要件、というのが非常に細かい点にまで及んでくるので、より細かい内容を理解する必要がありそうです。